活動報告
2月7日(水) 記者会見全文
すでに新聞でもご承知かと思いますが、記者会見でお話した、出馬に向けた桜田ひろし自身の気持ちについて全文を掲載します。ご興味がありましたら、少し長いですが、最後までお読みいただけると幸いです。
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本日はお忙しい中、お集まりをいただきましてありがとうございます。
私、櫻田宏は、本年4月に予定されている弘前市長選挙に出馬することを決意いたしました。
私は、昭和58年に弘前市役所に採用になり、福祉事務所保護課、人事課、企画課、秘書課、観光物産課、市民協働政策課、政策推進課、観光振興部で、弘前市民のため、弘前市発展のための仕事をし、去る1月31日に35年間勤めた市役所を辞職いたしました。その間、福士文知市長、金澤隆市長、相馬しょう(金へんに昌)一市長、葛西憲之市長に仕え、様々な事業に取り組んでまいりました。
弘前市は、藩政時代以来約400年の歴史を持つ城下町であり、津軽地域の政治経済文化の中心都市として発展してまいりました。昭和50年には、風格のある都市ランキングで東の横綱に位置づけられるなど、先人の熱意と努力により、今の弘前市があるものと思っております。
今回、市長選挙に立候補しようと決意した理由といたしましては、多くの市民から出馬して欲しいとの要請が相当数寄せられていたことが挙げられます。
葛西市政は、スピード感をもって対応し、弘前デザインウィークなどさまざまなイベントや、はるか夢球場などの大型箱モノ行政を推進し、成果を上げてまいりました。市民感覚としては、マスコミにも大きく、さらに多く取り上げていただき、華やかで躍動感のある弘前市政と受け止めている方も多いと思います。私も観光行政の責任者として、葛西市政を支え、弘前感交劇場という新たな観光施策の展開や東北北海道新幹線の開業関係、インバウンドの推進などに取り組んで参りました。
ただ、私は弘前市役所内部におりましたので、厳しい財政状況がわかります。イベントや大型箱モノへの支出より、本来必要である市民生活に密着した施策への予算配分が政策として不足しております。市民生活を第一にした施策を重点的に推進して行かなければ、地方自治法に規定する「住民福祉の向上」という市役所本来の目的に合わないのではないか。この、「市民生活を第一に」考えたまちづくりを推進するために市長選挙に出馬しようと決意した次第であります。
そのためには、縦割りではなく、「くらし」「いのち」「ひと」の3本を横軸に据えて、市民生活を第一にした政策を推進してまいりたいと考えております。
1つ目の「くらし」では、雪国の快適なまちづくりを推進したいと考えております。
今年は雪が少なく、市民生活的には今のところとても楽だと感じている方が多いとも思います。私は、35年間市役所に勤めてきて、常々思ってきたことがあります。それは、施設建設や道路などのインフラ整備においては、ほとんどが晴れの日の緑に囲まれたイメージ図から始まっております。12月から3月までの4ヶ月間、弘前は雪が降り、その対策が必要となります。雪が降ったから対策を取るという発想から、雪のことを熟知した人間の発想でまちづくりを考えることで、雪にも強い施設建設やインフラ整備ができるものと思います。
まずは、降雪時、さらには豪雪時のイメージを絵にして、そこからさまざまな検討に入ることで、市民の暮らしを最優先にした施策が生まれていくと思います。子育て世代やお年寄り、幼い子ども達を含めた多くの市民が雪との共生を図り、雪国ならではの暮らしを楽しめるようなまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
次に、「いのち」であります。
弘前市ではこれまで、葛西市政において健康長寿の取り組みがなされてまいりました。この取り組みはさらに加速させていかなければなりませんが、目新しい取組みだけではなく、市民の声無き声に耳を傾け、市民のニーズにあった政策を推進しなければなりません。
また、去る1月31日の市議会臨時議会でさまざまな議論がなされました。津軽地域の医療を、そして住民の命を守るためには中核病院が必要です。この件については、津軽地域の広域市町村と協議を重ねてきた中で、青森県から昨年10月に示された「市立病院と国立病院機構弘前病院を統合した上で、同機構が運営主体となる」案が示されましたが、葛西市長は昨年12月議会で「市が中核病院を整備し、運営主体となる考え」を示したところであります。
中核病院は必要です。運営主体の問題も含めて、もう一度、何のために整備するのかを青森県や弘前大学、国立病院機構弘前病院などとしっかりと協議をし、早期に解決しなければならないと考えております。
このことと併せて、喫緊の課題となっているのは、弘前市内の二次輪番制度であります。市立病院の医師数の減少などによりこの二次輪番制度が維持できない状況になるのではないかと危惧しております。この点を速やかに解決してまいりたいと考えております。
3つ目の柱は、「ひと」です。地域を担う人材の育成が急務であります。
学校と地域とが協働し、それぞれの得意分野を活かした学びの場を創出し、弘前がまるごと「学びのまち」になるような仕組みを作っていきたいと思っております。
現在、子供たちを取り巻くさまざまな事件や問題などが発生しております。親だけでなく、地域が子供たちを育んでいく仕組みづくりが必要です。例えば、毎年、8月に開催される弘前ねぷたまつりには、80以上の団体が自分たちで団体を組織し、ねぷたを制作し出陣しております。ねぷた小屋では、地域の大人たちがあれこれと話し合いながら制作をし、子ども達もさまざまな形で手伝うことになります。少しでも手伝うとどれだけ進んだのか気になります。学校を終えた小学生がランドセル家に置き、ねぷた小屋にその進み具合を見に行く。挨拶もせずに小屋に入ると挨拶しなさいと近所の大人から注意をされる。自分の親以外からも叱られながら、いいことと悪いことを学び、大人たちの背中を見ながら育つ。いつかはあの人のようになりたいとあこがれて努力するといった環境が、地域が子供たちを育てるということだと思います。このようなものを仕組みとして整備をしていきたいと思っております。
また、産業面の振興にとっても人材育成が必要です。キャンペーンなどの販売促進活動だけでなく、ものづくりや仕組みづくりを行う当事者を育成していかなければなりません。農業や商工業、サービス業など各分野での人材を育成し、創造性に富み、挑戦する意欲をもった人材を育成することが必要です。企業側と働く側での話し合いだけでなく、研究機関としての弘前大学の参画や、消費者の視点も含めた柔軟な意見交換を行うなど場の設置も含めて検討したいと考えております。
以上、「くらし」「いのち」「ひと」という3つの柱を中心に今後さらに検討を重ねて、市民生活を第一にした弘前づくりに向けた具体的な政策について改めて発表したいと思います。以上になります。
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